今年の全豪オープンはフェデラーの優勝で終わりましたが、世界ランキング54位、ノーシードで決勝まで勝ち上がってきたバグダティスに注目が集まりました。
バグダティスがキプロス出身というのはメディアでも取り上げられていますが、キプロスが実は数少ない分断国家であることには、あまりふれられていないようです。
キプロス島は、今もコンクリートの壁や鉄条網で南北に隔てられ、首都ニコシアも市街地が真っ二つに分割されています。壁の南側にはキプロス共和国、北側には北キプロス・トルコ共和国がありますが、北キプロス政府を承認しているのは世界でもトルコだけです。
なぜこんなことになったのか。以下、外務省の国連キプロス平和維持隊のページからの引用です。
その後も国連の努力は続きますが、いまだ解決にはいたっていません。テニスを見ながら、こんなことを考えていました。
去年の暮れに、小川洋子さんの小説『博士の愛した数式』について書きましたが、映画が昨日から公開されたので見てきました。
映画を見ての感想ですが、それぞれの役者(博士役の寺尾聡、家政婦役の深津絵里など)の演技は原作のイメージともあってるし、「まあ、こんなものかな」という感じでした。
もともと、映画が原作を忠実になぞる必要はないし、原作から感じ取ったものを映画として表現すればいいと思うのですが、それなりにページ数のある小説を映画化する場合、数あるエピソードのうち何を捨てて何を残すかが、いつも問題になります。つまり、原作を読んでどこに一番感動するかは人によって違うからです。
私は、去年原作を読んでの感想にも書いたように、10歳だった少年が博士に抱きしめられてから12年後、医療施設にいる博士の肩を、22歳になったルートがそっと抱き寄せる最後の描写は、やはり残して欲しかったと思います。
ですが、全体としては見て損はない映画だと思います。特に加古隆の音楽がいいですね。
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エルサルバドルの少年兵士を描いた映画、『イノセント・ボイス -12歳の戦場』が1月21日から公開されます。この映画の情報をチェックしていて、以前読んだ本のことを思い出しました。
それは、イギリスBBC放送のプロデューサーとして、ノーム・チョムスキーからデイヴッド・アッテンボロー、エドワード・サイードまで世界の有識者へのインタビュー番組を手がける「ジェシカ・ウィリアムズ」が書いた『世界を見る目が変わる50の事実』という本です。
その本のまえがきで、著者はこのように書いています。
どの事実にも、見過ごしにできない重要なことがある。たとえば所得格差や機会の不均等、権力の不均衡。あるいは天然資源の野放図な濫用や、社会や文化の変化もある。それぞれの事実を簡潔に解説することで、その前後関係を知り、統計数字の背後に潜む物語-問題はどこまで根深いものか、どうしてそんなことになったのか、いまどんな手が打てるのか-を浮き彫りにした。
その中に、「世界中の紛争地帯で戦う子供兵は30万人」という記述があります。その他にも「世界で3人に1人は戦時下に暮らしている」など、50の数字について解説されています。
統計上の数字は必ずしも事実ではないとしても、いろいろ考えさせられる本でした。
映画 『イノセント・ボイス -12歳の戦場』は、東京でもシネスイッチで公開されるだけなのでなかなか見られないかもしれませんが、見たら感想を載せたいと思います。
BSFUJIに、『東京の散歩道』という番組があります。地上波ではやっていないので見たことがない方もあると思いますが、「ゆっくり歩くことで東京の町の魅力を引き出す、歩行者目線のハイビジョン散歩番組」です。
これまでに、
などが放送され、どれも「行ってみようかな」と思わせる散歩ガイドです。
昨日は、先日見た「カイダンでゆくウマイ街-四谷・曙橋・大久保」のルートをたどりながら、妻と散歩してきました。
ラーメン屋「第二旭」(あけぼのばし通りから安養寺坂を上がって、公園の手前を少し右に入ったところ)の大将夫婦も、TVで見たまんまでした。子供の頃近所に住んでいた若者が入ってきてラーメンとビールを注文すると、「あんたがビールねえ」というおかみさんのツッコミがあったりして、いい雰囲気でした。
ところで実際に歩くには地図も必要ですが、都心の散歩に欠かせないのが『どこでもアウトドア 東京山手・下町散歩』(昭文社/1400円)という本です。
"どうやって描いてるの"の"参考になる本"にも挙げていますが、スケッチポイントを探すのにも役に立つ本です。
さて、今度はどこに行こうかな。
BSFUJI / BSFUJI公式ページ
Amazon.co.jp / どこでもアウトドア 東京 山手・下町散歩
平成5年(1993年)にNHK金曜時代劇で放映された時代劇『清左衛門残日録』(全14話)が、ケーブルの「時代劇専門チャンネル」で明日3日午後、一挙に放送されます。
私はリアルタイムでも見ていましたし、その後やはりケーブルテレビで再放送されたときにも見ていますが、良いものは何度見てもいいですね。
このドラマは皆さんご存知のように、藤沢周平の『三屋清左衛門残日録』をドラマ化したものですが、演出、脚本、キャスティングともに文句なしに良くできていると思います。
いわゆる藩内の政治的対立を軸にドラマは展開していきますが、描かれているのは、友情、父と子の厚情、舅と嫁の間のいたわりや尊敬など、人と人との情愛です。
なかでも第12話『闇の談合』は、このシリーズ最高の出来ではないでしょうか。特に、重病の床にある竹馬の友である金井奥乃助を見舞うシーンや、清左衛門が筆頭家老の朝田弓之助に退陣を勧めるという、難しく危険な仕事に赴こうとする日に嫁の里江と清左衛門が話すシーンなど、このドラマのすべてが凝縮されているように感じます。
放送は、「時代劇専門チャンネル」で明日3日午後1時からです。一挙に見るのは大変ですから、DVDにでも録画して、ゆっくり楽しんでください。
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